【涅槃の道場(讃岐編)】  

 

38日目

4月28日(晴れ) 4時起床



昨日の出来事で神聖な気をいただき、口から身体に龍が入った夢をみる。

「今日は試練の日」そう言い聞かせて5時出立。

暗闇の箸蔵寺の遍路道をかけ登る。

一度の休憩もとらず、頂上まで着いた。

「奇跡だ!自分の身体じぁあないみたい」

もちろんザックを担いだままだ。

本堂と大師堂の他に、山の頂に金比羅大権現がお祭りしてある。

もらさずお参りする。

商売繁盛のお護摩炊きをお願いし下山。


さあ目指すは標高900メートル雲辺寺。

ここは、地元の人に聞いていた道を行くことにした。

先達に聞いていた順路を急遽予定変更。

遍路地図に載っていないため、あらかじめ用意していた四国全域の

地図を広げる。

「これだな」

地図を頼りに身をまかせ、遠々と歩くこと8時間。

雲辺寺の頂はまさに雲の上であった。

四国すべてが見渡せる絶景だ。観光客も多い。

ロープウェイで上がってくるのだ。
僕もせっかく登った雲辺さん、すぐに帰るともったいない。

休憩をしっかり取り、観光をする。

そしてお菓子とコーラで祝杯。

「こ・こ・ま・で・き・た・ぞ」小さくガッツポーズ。

しかし、いつまでもここに滞在するわけにもいかず、下山。

帰りは、遍路道を行くことにした。別格16番があるからだ。
山道の下山はヒザにまともに体重がかかる。

ある意味、登山より痛みを伴うのだ。

ゆっくり慎重に降りる。靴は登山靴ではないので石が痛い。

「しかしここを登るのも難儀だろうな」

下山を始めて1時間もたった頃、なんと50代のカップル?

が下から登ってくるではないか。

服装と靴からして、登山にきているのでは無いことは人目でわかる。

男性はスニーカーだったが、女性の靴にはヒールがついている。

しかもスカートだ。

「なんて無謀な・・・」

多分、話の勢いでこうなったのだろう。察しはつく。

「お気をつけて」

それしか言えなかった。


下山し、ロープウェイ乗り場でおそばとご飯を注文。

「ごちそうさま」

やり終えた後の満足感で気もいささかゆるむ。

30分程で、別格16番に到着。

今日のノルマ達成だ。

寝ぐら確保の為、先達から聞いていた公園を探す。

少し迷ったが、地元の人に教えていただき5時半

萩の丘公園に到着した。

「今日は12時間半ごくろうさま」自分を褒める。

見晴らしのいい高台は地元の人達のウォーキングコース

にもなっている。

夕日に照らされて、皆さん健康維持に取り組まれていた。

僕は、邪魔にならない片隅でテント設営にいそしむのであった。


本日 31.2キロ


別格15番 箸蔵寺(はしくらじ) ご詠歌
いその神 ふりにし世より 今もなほ 箸運ぶてに ことの尊き

66番 雲辺寺(うんぺんじ) ご詠歌
はるばると、雲のほとりの、寺にきて つきひをいまは、ふもとにぞみる

別格16番 萩原寺(はぎわらじ) ご詠歌
尊くも 火伏をちかふ 地蔵尊 はぎの御山に 世を救ふらむ




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